前回、つり上げ荷重とは何か? について説明させていただきましたが、今回は「定格総荷重とは何か」について説明させていただきたいと思います。
「クレーンに負荷させることのできる最大の荷重」とは一体何によって決まるでしょうか。
まずは移動式クレーンの構造や材質です。構造や材質によってどれぐらいの負荷に耐えられるかが決まるというのは想像しやすいのではないかと思います。
ただ移動式クレーンの場合はそれに加えてさらに重要な要素があります。ジブの長さや傾斜角の変化によっても、クレーンに負荷させることのできる最大の荷重は変わってくるということです。
「ジブの長さや傾斜角の変化によってクレーンに負荷させることのできる最大の荷重は変わってくる」ということを、小型移動式クレーンの運転者は理解しておく必要があります。
この移動式クレーンの構造、材料やジブの長さと傾斜角の変化に応じて負荷させることのできる最大の荷重のことを「定格総荷重」と呼びます。
なおこの時言う「最大の荷重」にも、フック、グラブバケット等のつり具の質量を含みます。
またつり上げ荷重とは、定格総荷重の最大値のことです。
ですので運転者は、そのクレーンのつり上げ荷重だけでなく、定格総荷重についても常に気を配らなければなりません。